2021.5.24 20:57

50歳ミケルソン最年長メジャーV “衰えを受け入れない”不屈の闘志/全米プロ

50歳ミケルソン最年長メジャーV “衰えを受け入れない”不屈の闘志/全米プロ

特集:
全米プロ選手権
18番グリーンに向かうミケルソン(中央)。警備員の制止を振り切ったギャラリーがフェアウエーに殺到した(USA TODAY)

18番グリーンに向かうミケルソン(中央)。警備員の制止を振り切ったギャラリーがフェアウエーに殺到した(USA TODAY)【拡大】

 男子ゴルフ全米プロ選手権最終日(23日、米サウスカロライナ州キアワ島、キアワアイランドリゾート・オーシャンコース=7876ヤード、パー72)第2日から首位で50歳11カ月のフィル・ミケルソン(米国)が73で回り、通算6アンダーで優勝。史上初めて50代でメジャーを制した。メジャー通算6勝目で、米ツアー通算45勝目。2打差の2位にブルックス・ケプカ(31)=米国=ら2人。松山英樹(29)=LEXUS=は72で回って通算1オーバー、23位のまま終わり、4月の「マスターズ」に続くメジャー2連勝はならなかった。

■「こんな経験初めて」前代未聞の“Vパレード”

 もう抑えきれない。最終18番(パー4)。2打リードで首位のミケルソンがパーオンに成功すると、ギャラリーの興奮は沸点を超えた。主役を取り囲み、フェアウエーを一緒に行進。前代未聞のVパレードとなった。

 「こんな経験は初めて。この勝利は格別だ」

 親指を立てて声援に応えたレフティーは、2パットでパーセーブ。50歳11カ月。1968年に48歳で「全米プロ」を制したジュリアス・ボロス(米国)の記録を大幅に更新し、史上最年長のメジャー覇者となった。

■「まだ勝てる」5季前より伸びた飛距離

 「まだメジャーに勝てると信じていた。それが現実となり、これほどうれしいことはない」

 5番(パー3)ではグリーン左の砂地からチップインバーディー。16番(パー5)の1打目は366ヤード飛ばしてバーディーにつなげた。4日間の平均飛距離は313・1ヤードで全体21位。年下に負けない飛距離を誇った。

 昨年シニアツアーでも勝ったが「若い選手と同じように飛ばせる間はやめない」と、主戦場は今もレギュラーツアーだ。だが2019年2月の44勝目を最後に優勝はなく、世界ランキングは今大会前の時点で116位。だが、衰えを受け入れはしない。食事を制限して、体を鍛え直し、8キロほど減量。今季の平均飛距離は302・5ヤードで5季前より9ヤード伸びた。

■「最後のチャンス」次は生涯グランドスラム

 6月17日開幕の「全米オープン」に勝てば、メジャー4大会すべてに勝つ「生涯グランドスラム」を達成。過去に2位が6度ある大会は今年特別招待を受けていたが、自力で出場権をつかんだ。「最後のチャンスになるかもしれない」と史上6人目の偉業を狙う。

 ツアー初優勝は91年で、初勝利と最後の勝利の間隔が30年を超えるのは史上初めてだ。

 「50歳になっても勝てることが、他の選手の励みになればと願う」

 選手だけでなく、人々の心を励ました。