2021.5.26 07:30

【記録の泉】「暴力事件」から37歳ルーキー大岡虎雄の新人最多111打点

【記録の泉】

「暴力事件」から37歳ルーキー大岡虎雄の新人最多111打点

 5月7日のDeNA-阪神(横浜)で、阪神の新人・佐藤輝明が今季の球団最速となる33試合目で10号本塁打に到達。新人選手では1959年の大洋・桑田武の27試合、50年の毎日・戸倉勝城の32試合に次ぎ、49年の大映・大岡虎雄と並ぶ歴代3位のスピード10号となった。

 今回は大岡に焦点を当てたい。1リーグ時代の49年、37歳で選手兼助監督として大映に入団。小鶴誠、飯島滋弥と打線の中軸を担い、打率・272、26本塁打をマーク。111打点(リーグ5位)は新人のシーズン歴代最多として今でも“君臨”している。

 50年に松竹に移籍し、水爆打線の中軸として34本塁打、109打点。チームはプロ野球記録のシーズン908得点を挙げて優勝。大岡は翌51年に引退と、3年間の太く短いプロ野球人生だった(通算299安打、61本塁打、230打点)。

 プロ入りする前は社会人野球の強豪、八幡製鉄で活躍。選手兼任監督として4番を務め、都市対抗野球では通算5本塁打。「八幡の虎」として名をはせた。

■「深見安博腰投げ事件」

 そんな大岡がプロ入りするきっかけとなったのが、47年5月29日の九州・下関六社会人リーグ、八幡製鉄-西日本鉄道。判定を巡り、大岡が選手を投げ飛ばす「深見安博腰投げ事件」を起こした。西日本鉄道側が監督の暴力を問題視。退団に追い込まれた。

 ちなみに投げ飛ばされた深見は50年に西鉄入りし、52年途中に東急へ移籍。同年は2球団で計25発をマーク。プロ野球史上で1人しかいない、2球団にまたがって同一シーズンに本塁打王を獲得した選手となった。

 大岡は1年の浪人期間を経て大映に入団。事件がなければ37歳のオールドルーキーは誕生せず、新人のシーズン最多打点も、プロ野球シーズン最多得点も生まれなかった。(記録担当・小川真幸)