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【平成の真実(34)】平成8年3月2日 JRA女性騎手誕生

【平成の真実(34)】

平成8年3月2日 JRA女性騎手誕生

特集:
平成の真実
平成8年5月12日。デビューから45戦目にしてレゾンデートルで初勝利を挙げた細江純子騎手

平成8年5月12日。デビューから45戦目にしてレゾンデートルで初勝利を挙げた細江純子騎手【拡大】

 日本中央競馬会(JRA)で現在、ただ一人の女性騎手、藤田菜七子(21)がデビュー4年目を迎えた。JRAで初めて女性騎手が誕生したのは平成8年。競馬学校を卒業した3人の女性が3月2日にデビューを果たした。騎手への道は厳しく、デビューしてからも試練の連続。3人のうちの一人で、現在は解説などで活躍する細江純子さん(43)が当時を振り返った。 (取材構成・漆山貴禎)

 平成8年3月2日、JRA競馬学校を卒業した田村真来、細江純子、牧原由貴子(現姓増沢)がそろって騎手デビュー。早春の訪れとともにさわやかな風を吹き込んだが、JRA初の女性ジョッキーが誕生するまでの道のりは険しかった。

 「上の3人の方々は、本当の意味で手探りで大変な苦労だったと思います。先輩たちがパイオニアになってくれて、(順番が)逆だったら(結果は)逆だろうなと思います」と細江は述懐する。実は競馬学校の騎手課程に入学した女性は細江らが初めてではなかった。1期上の11期にも3人の女性が在籍していたが、乗馬未経験だったこともあり、全員が自主退学する結果に終わった。

 「女性は筋肉がつきにくく、特に競走騎乗に必要な下半身の強化をはかる必要がありました」と、当時の競馬学校で教官(教育課教育訓練係)を務めていた緒方一徳(51)=現・審判部免許課長=は振り返る。

 課題を解決すべく、それまでは自主性に任せていた夕方のトレーニングを全員で行うように変更した。「これによりひとりひとりの体調面や精神面、他の生徒との関係性も把握することができ、指導に生かすことができました」。また、平成4年から3年にわたってアイルランドの元騎手、マイケル・ケネディ(故人)を臨時講師として招いた。本場仕込みのムチの使い方や騎乗技術を生徒たちに伝えた。

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  • 平成8年(1996年)3月2日付サンケイスポーツ終面
  • 牧原由貴子騎手
  • 田村真来騎手
  • JRAただ一人の女性騎手、菜七子(中央)と競馬学校生の永島まなみさん(左)と古川奈穂さん(右)。今月9日に女性だけの3頭併せ馬を行い話題となった
  • 競馬学校の騎手課程では、腕力だけで天井まで到達する“綱のぼり”など、ハードなトレーニングが課される
  • 歴代のJRA女性ジョッキー