2018.5.16 12:00

男が男に惚れるやくざ映画「孤狼の血」/週末エンタメ

男が男に惚れるやくざ映画「孤狼の血」/週末エンタメ

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週末エンタメ芸能記者コラム
「孤狼の血」

「孤狼の血」【拡大】

 かっこいい。かっこよすぎる。試写を見終わっても、しばらく興奮が収まらなかった。しびれる男の生きざまに126分間、アドレナリンが出っぱなしだった。

 12日に公開されたやくざ映画「孤狼の血」。日本推理作家協会賞を受賞し、「警察小説×仁義なき戦い」と評される柚月裕子さん(50)の同名小説が原作。昭和63(1988)年の広島を舞台に警察、極道の世界を生き抜く男たちを描いた衝撃作だ。

 「警察じゃけ、何をしてもええんじゃ」と手段を選ばない捜査に加え、やくざとの癒着の噂が絶えない主人公の刑事・大上を演じるのは名優、役所広司(62)。ドスの利いた広島・呉弁に荒々しい振る舞い。そして鋭い洞察力も併せ持つ役どころだ。

 役所といえば、昨年の映画「三度目の殺人」の不気味な殺人犯やTBS系ドラマ「陸王」でのランニングシューズ開発に挑む老舗足袋業者役の好演も記憶に新しいが、今作でも強烈な存在感で、見る者を惹きつける。

 共演には新人刑事役の松坂桃李(29)、暴力団・若頭役の江口洋介(50)、敵対する暴力団・若頭役の竹野内豊(47)、他にも真木よう子(35)やピエール瀧(51)と豪華キャスト陣がズラリ。それぞれの正義や矜持を胸に、生き残りを賭けて戦う姿は、男なら憧れを抱く人も少なくないはず。役所も「男たちよ、劇場に来い!!」と呼びかける。

 広島でオールロケを行った同作のメガホンを執ったのは、昨年の「彼女がその名を知らない鳥たち」でブルーリボン賞監督賞を獲得した白石和彌監督(43)。人間の狂気を表現する手腕に定評がある通り、今作でも生々しい暴力描写が出てくる。コンプライアンスの厳しい現代、テレビなら流すのはためらわれるようなシーンも多く、R-15指定も受けている挑戦作ではあるが、役所は「映画はテレビでは見られないものを映画館に届けるべき。これはそういった作品になったはず」と意義を問いかける。

 完成度の高さゆえ、R-15指定作では史上最多の337スクリーンで公開中。以前から多くの関係者に勧められていた作品だったが、まさに前評判通りで、興収20億円を見込めるスタートを切った。高評価も、見れば納得できるはずだ。(青森正宣)

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