2020.10.2 05:00

【甘口辛口】羽生善治九段の竜王戦の逆襲を見たい 通算100期の偉業へ難敵との熱戦に期待

【甘口辛口】

羽生善治九段の竜王戦の逆襲を見たい 通算100期の偉業へ難敵との熱戦に期待

 ■10月2日 羽生善治九段は10月9日開幕の将棋竜王戦の挑戦者となり、2年ぶりに臨むタイトル戦で通算100期の大台を目指す。相手は豊島将之竜王(叡王)で、難敵ではあるが、過去のタイトル戦では2014年王座戦と15年棋聖戦を羽生九段が制し、18年棋聖戦で失冠して2勝1敗。通算でも17勝16敗と勝ち越している。豊島竜王がブレークした18年以降でも6勝7敗と拮抗。偉業へ向けて熱戦が大いに期待できる(数字は全て9月30日現在。未放映対局を除く)。

 羽生九段の相性という点では、最近では藤井聡太二冠に対する分の悪さが話題になっていた。いきなり3連敗を喫して、9月22日の王将戦挑戦者決定リーグ戦開幕戦でようやく初勝利。苦手に一矢報いて、羽生ファンはホッとしたことだろう。

 長らく無敵を誇った羽生九段は、プロ入り初期以降あまり当たらなくなった少数対局者(0勝1敗、1勝2敗)を除けば、ほぼ全棋士に大きく勝ち越している。しかし、近年は藤井二冠をはじめ佐藤天彦九段と9勝13敗、永瀬拓矢王座と4勝7敗、菅井竜也八段と5勝7敗と、若手のタイトル経験者に苦戦している。しかし2~4つの差なら、年齢差をはね返して、まだまだ挽回可能と信じたい。

 かつて深浦康市九段が「羽生キラー」と言われ、09年に26勝26敗という時期があったが、現在は48勝33敗と引き離した。現在最強といわれる渡辺明名人(王将、棋王)とも40勝38敗。11年には最大5つ負け越したものの今では逆転している。年齢の壁が、徐々に迫っているのはやむを得ないかもしれない。しかし、常にトップで戦ってきた羽生九段の、竜王戦の逆襲を見たい。(宮本圭一郎)