2020.9.28 05:00

【甘口辛口】東京五輪、まず議論すべきは選手の準備状況 「52項目の見直し」に違和感

【甘口辛口】

東京五輪、まず議論すべきは選手の準備状況 「52項目の見直し」に違和感

 ■9月28日 東京五輪の簡素化に向けた「52項目の見直し」には違和感を覚えた人も多かったろう。国際オリンピック委員会(IОC)調整委員会と大会組織委員会のオンライン合同会議で合意したそうで、「IОC総会開会式の取りやめ」や「IОC関係者にラウンジで提供する飲食を簡素に」など細かいことばかりだ。

 菅首相はビデオ録画方式で行った国連総会の演説で「人類が疫病に打ち勝った証しとして開催する決意だ」と述べたものの、東京五輪が本当にできるかどうかはまだまだわからない。細部を詰める前に、まず議論すべきは各国の選手たちの準備状況はどうなのか、来夏に万全の状態で参加できるかどうかだろう。

 学校の運動会も猛暑やコロナ禍での運動不足で生徒たちの体力が伴うか見極めが先決で、開催も決まらないのにPTA役員席の削減や、弁当やお茶の廃止といった枝葉の問題に気を使うようなものだ。ふつう五輪前年は水陸などの世界記録ラッシュでにぎわうが、コロナ禍のいま外国選手の動向は伝わってこない。

 いくら簡素化しようが、特例入国を認めようが肝心の選手たちが参加しないことには話にならない。それなのに「選手ありき」の大前提を脇に置いたまま議論を進めている感じもする。スポンサーに逃げられては困るとIОCは「(コロナウイルスが)あろうがなかろうが開催する」(コーツ調整委員長)と強調している。

 そこまでいうなら「各国選手の現状はどうなっているのか」と組織委員会はIОCに問いただしてもいい。もし「中止」なら言い出しっぺが損をするだけに「やる、やる」と言いながら、互いに腹を探り合っているように見えても仕方ない。(今村忠)