2020.9.18 05:00

【甘口辛口】うがい薬の次は柿渋…コロナに効果ありとの公表は需給への影響が常につきまとう

【甘口辛口】

うがい薬の次は柿渋…コロナに効果ありとの公表は需給への影響が常につきまとう

 ■9月18日 新型コロナウイルス対策として吉村洋文大阪府知事がポビドンヨードうがい薬を勧めて、近所のドラッグストアで欠品して1カ月余り。風邪予防での愛用者には困った話だったが、やっと店頭に戻り始めてホッとしたら、今度は「柿渋」に突然スポットライトが当たった。

 荒井正吾奈良県知事が10日に記者発表を予告し、15日に奈良県立医大の免疫学と微生物感染症学の研究グループが、渋柿を砕き発酵させた柿渋がウイルスの感染力を抑えるとの実験結果を発表した。口の中に近い環境の試験管内でウイルスと唾液と柿渋を混ぜたところ、感染力を持つウイルスが1万分の1以下に減少したという。「10分間置いたら不活化を発見した。この時に柿渋の適切な濃度を把握しました」と研究推進課産学連携推進係。「口内で10分間」の想定からアメやガムを念頭に製品化する企業を求めていくという。

 研究への評価はさておき、塗料・染料として知られる柿渋を実は10年ほど飲んでいる。生活習慣病や二日酔い対策に毎日10ミリリットル。味も臭いも強烈だが信じる者は救われる? 個人的感想では「宗教」のようなものだ。そんなメジャーとはいえない健康飲料がニュースになったから驚いた。

 ある製造販売会社には問い合わせの電話が殺到。奈良県立医大は「柿を食べても効果はない。正しく理解していただきたい」(産学連携推進係)と、飲むことで体のウイルスを滅する研究ではないことを強調するが…。扱う企業は少なく、熟成に何年もかかる柿渋。マスクやうがい薬のような買い占め、欠品騒動などなければいいが。市販商品に関連するコロナに効果ありとの公表は、需給への影響が常につきまとう。(宮本圭一郎)