2020.9.12 05:00

【甘口辛口】「これって延命措置?」夢諦めぬ白鵬は自分の花道を優先させているようにみえてしまう

【甘口辛口】

「これって延命措置?」夢諦めぬ白鵬は自分の花道を優先させているようにみえてしまう

 ■9月12日 「これって延命措置ですかね」。ひいきの居酒屋の店主が納得いかない顔をしている。医療ではなく大相撲の話。白鵬、鶴竜の両横綱が、あす初日を迎える秋場所を休場する。それが腑に落ちないというのだ。「横綱ってどんなに休場しても番付が落ちないんですよね。その特権をうまく利用しているようで、なんだかなあ…と」

 7月場所を右膝の負傷で13日目から休場した白鵬は8月に内視鏡による手術を受け、本格的な稽古再開の遅れが伝えられていた。鶴竜も右肘を痛めて先場所2日目から休場し、調整が大幅に遅れていた。複数の横綱全員が初日から休場して不在となるのは昭和58年夏場所の千代の富士、北の湖以来37年ぶりである。

 両横綱とも35歳。ともに休場は2場所連続で白鵬は16度目、鶴竜は17度目。この1年間の6場所では白鵬が4度、鶴竜が5度もある。体力の衰えも見られて15日間を戦いぬけないようだ。特に白鵬は自身の夢をかなえるために引退を先延ばししているかのよう。かねてから公言しているように、レスリング選手として前回の東京五輪に出た亡き父ジジド・ムンフバト氏と“同じ舞台”に立つことが夢だからだ。

 ところが、目標としていた東京五輪が新型コロナウイルスの世界的流行によって来年に延期。これを機に、体力の衰えもあるならすっぱりと夢を諦めて引退すると思いきや現役を続けている。それが自身の花道を優先させているようにみえてしまう。

 秋場所開幕直前の10日、玉ノ井部屋でコロナの集団感染が判明。同部屋の全力士28人を全休させて開催するが、こうした緊急事態だからこそ、番付最高位の責務を果たす意味でも横綱に出てほしかった。(鈴木学)