2020.9.1 05:00

【甘口辛口】体力の衰え隠せぬ白鵬 安倍首相の言葉を自身に置き換え、残された土俵に打ち込んで

【甘口辛口】

体力の衰え隠せぬ白鵬 安倍首相の言葉を自身に置き換え、残された土俵に打ち込んで

横綱白鵬

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 ■9月1日 昨年9月3日の夜、東京・赤坂の料亭で安倍晋三首相と横綱白鵬が偶然顔を合わせた。別々のグループで会食していて白鵬があいさつに出向き、首相が「頑張ってください」と激励した。白鵬にとっては日本国籍を取得した、まさにその夜のできごと。「すごいこと。偶然じゃなく必然かも」と大喜びしたという。

 長きにわたりトップに君臨する“絶対王者”同士だが、それから1年後…。来年の東京五輪が花道との予想に反し、持病の悪化で潔く先に降りたのは安倍首相だった。退任表明会見では「国民の負託に自信を持ってこたえられる状態でなくなった以上、首相の地位にあり続けるべきでない」と述べた。

 1強ゆえに、ときにやりたい放題との批判も受けた。2016年の参院選では当時民進党の野田佳彦元首相の応援演説が話題になった。「白鵬は素晴らしい横綱だが立ち合いが汚い。右肘を顔面に入れるエルボーで豪栄道が顔面骨折した。安倍政権も左手でアベノミクスと言い右手で今度は憲法改正。顔面骨折するのは国民」 

 首相は引退表明したが、白鵬は31日に発表された秋場所(13日初日、両国国技館)新番付で東横綱は変わらない。7月場所は12日目の御嶽海戦で土俵下に落ち右膝を痛め、足を引きずりながら審判長の前を横切り土俵に戻った。「明日から休みます」との予告のつもりか翌日から休場した。

 「首相は体調に関しては一切いわなかったのに白鵬は…」とある親方。体力の衰えは隠しようもなく「引退」の2文字は確実に忍び寄る。首相の言葉にある「国民の負託」を「ファンの期待」に「首相」を「横綱」として肝に銘じ、残された土俵に打ち込んでほしい。(今村忠)