2020.8.14 05:00

【甘口辛口】コロナ禍での球児の夏 勝っても負けても1試合で終わる寂しさのようなものがある気がする

【甘口辛口】

コロナ禍での球児の夏 勝っても負けても1試合で終わる寂しさのようなものがある気がする

 ■8月14日 甲子園交流試合は前半の3日間・7試合が終わった。25年ぶりの甲子園での高校野球取材は、コロナ禍の夏とあって異例の風景となっている。検温サーモカメラを済ませて登るバックネット裏記者席はそのままだが、1階プレスルームには立ち入れず、代わりに記者席横のスタンドを利用。大会関係者とスカウトはその周辺で、ベンチ入り以外の部員と家族はさらに外側の内野席に。すべて銀傘の下で日が当たる前方は熱中症対策で空けている。

 取材は試合後のみ。ネット裏2階通路(普段は売店などスペース)で一塁側と三塁側に分かれ、「監督」「指名選手1」から外側に向かって1~20の番号が間隔を取って壁に張られている。報道陣は通路の反対側の柵の外側で約2メートルの距離。マスク越しの取材だが、注目選手の取材者は20人を超える。記者13分、放送7分の完全交代制。これ以外の取材はNGで保護者、スカウトらは電話取材のみ可能。制約は多いがすべてはコロナ対策だ。

 試合では練習・試合不足からかエラーが目立つ。中京大中京・高橋宏斗投手の153キロのミット音はバシッと反響した。実際に3日間過ごして、ぬるい浜風も吹いて意外にしのぎやすかった。地方独自大会でシティ信金、八尾久宝寺、鳴尾浜臨海などは日差しがきつかったから余計そう感じる。

 その独自大会では勝って終わった龍谷大平安・原田英彦監督、天理・中村良二監督が感極まっていた。コロナ禍の1年、育てた選手たちがやっと大会を戦い終えた区切りにこぼれた涙。甲子園ではサヨナラ試合などドラマもあるが、勝っても負けてもこの1試合で終わる寂寥感のようなものが、どこかあるような気がする。(宮本圭一郎)