2020.5.24 05:00

【甘口辛口】ドラマ撮影が近く再開 役者にとってうれしい半面、戦々恐々…制作側は改めて感染リスク対策徹底を

【甘口辛口】

ドラマ撮影が近く再開 役者にとってうれしい半面、戦々恐々…制作側は改めて感染リスク対策徹底を

 ■5月24日 外出自粛から一転、外出OKにそろりと潮目が変わり始めた。しかし、命あってのモノダネ。人混みを避けて、マスク、手洗い、検温を続けたいが、東京もあす25日には緊急事態宣言が解除になりそうな雲行きだ。そんな中、休止していたテレビ各局のドラマ撮影も近く再開される。

 手前みそながら、思い出すのはTBS系「こちら第三社会部」(2001年、主演・渡辺謙)である。当時、JR新橋駅ガード下の居酒屋でロケがあり、小欄もたまたま現場取材で居合わせた。ある事情で、役者が1人欠員に。知り合いのプロデューサーから「君、酔っ払いの役を頼む」と突然、白羽の矢が立った。

 演技経験ゼロなのに…。断りきれず、冷や汗タラタラ、何度もNGを出して演じた。基本は今も同じと思うが、通常のドラマはとかく狭い空間に長時間、役者や演出、音声、照明などのスタッフが集結。密閉、密集、密接の3密があるからこそ、リアリティーや迫力、感動が生まれる。

 同じTBS系「半沢直樹」(2013年)の頃から、男同士が顔を突き合わせて怒鳴り合うシーンが、多数のドラマで見られるようになった。放送中のNHK大河「麒麟がくる」もしかり。印象的なシーンとして今や欠かせない。同時に新型コロナウイルスの感染要因となる唾液の飛散は避けられないが、まさかマスクをつけるわけにもいくまい。

 それゆえ、撮影再開は役者にとってうれしい半面、戦々恐々でもある。制作側には改めて感染リスク対策を徹底してほしいし、保険加入の検討も含め感染者が出たときのケアも必要となる。いずれにせよ、寛容が大事。みにくい人間模様は、面白い作品の中にとどめてほしいものだ。(森岡真一郎)