2020.5.17 05:00

【甘口辛口】改めてコロナの恐ろしさ突き付けられたレナウンの民事再生手続き 一部で緊急事態宣言解除も人と密になるのは先にしたい

【甘口辛口】

改めてコロナの恐ろしさ突き付けられたレナウンの民事再生手続き 一部で緊急事態宣言解除も人と密になるのは先にしたい

 ■5月17日 遠い記憶のかなたにあったCMソングが突然、脳裏によみがえった。レナウン娘が…ワンサカワンサカ…。昭和40年代の高度成長期、テレビ画面に流れた軽やかな歌声や若い女性のダンス映像が思い浮かぶ。記憶の糸をたどっていたら偶然、大学時代の友人からLINEに動画が送られてきた。

 世界的なヒット曲「アイドルを探せ」などで知られるフランスの歌手、シルヴィ・ヴァルタン(75)だった。当時20歳。ちょっと澄ました美しい顔立ちとスリムなスタイル。鼻にかかったハスキーな歌声で、このCMソング「ワンサカ娘」を歌手、弘田三枝子(73)に続いて一躍有名にした一人だ。

 作詞作曲は、小林亜星氏(87)。オンエアは1964年東京五輪の翌年で、外国人慣れした日本でも片言の日本語で歌う美しい姿は当時、衝撃的で新鮮だった。この原稿を書く前、改めてYouTubeで検索してタイムスリップ。時代を超えても色あせない甘い歌声に心がときめいた。とはいえ、少々うしろめたいのは、ほかでもない。

 このCMで知られるアパレルの名門、レナウンが15日、東京地裁から民事再生手続き開始の決定を受けたと発表したからだ。新型コロナウイルス拡大による外出自粛などで衣料品販売が激減し、資金繰りに行き詰まったのが理由という。今後は再建に向けスポンサーを探すそうだが、新型コロナの恐ろしさを改めて突き付けられた思いだ。

 折しも緊急事態宣言の解除が始まり、各地で日常を取り戻そうとする動きが活発になってきた。経済が回転すれば、人の命を守る原動力になる。しかし、油断大敵。浮かれ気分は胸の内に、人と密になるのは先にしたいものだ。(森岡真一郎)