2020.5.14 05:00

【甘口辛口】高校野球もクラブ活動、教育の一環 特別な存在ではないことをそろそろ肝に銘じるべき

【甘口辛口】

高校野球もクラブ活動、教育の一環 特別な存在ではないことをそろそろ肝に銘じるべき

 ■5月14日 夏の甲子園大会を目指し、例年全国のトップを切って開幕する沖縄大会が6月20日から7月以降の開幕に変更された。甲子園大会の開催可否は日本高野連が20日の運営委員会で協議するが、開催されなくとも「3年生に発表の場を作ってあげたい」と東西東京大会を予定通り開く方針の東京都はじめ各地方大会は、現段階で中止はない。

 東北から九州まで21府県で開催予定だった今夏の全国高校総体は既に史上初の中止が決まっている。全国高体連は「移動、宿泊に伴う感染リスク」「休校による練習不足」「医療への負担」などを挙げた。もちろん野球にもあてはまる3つの大きな理由には反論の余地はない。

 ある強豪私立校で30年指導した元監督は言う。「練習不足はいかんともし難い。自主練だけでは限界があり、体力が伴わないまま、熱中症の危険もある暑さに加えコロナ対策と、選手は一気に厳しい環境に置かれる。けがも心配だ」。休校中もこっそり練習を続けている学校もあるとかで、不公平感も出そうだ。

 難しい状況の中で同じ日本学生野球協会の傘下にある全日本大学野球連盟は、8月12日開幕に延期されていた全日本大学選手権の中止を決めた。全国26連盟の春季リーグ優勝校が大学日本一を争う大会が68年目で初めて中止を余儀なくされたことで、兄弟ともいえる甲子園大会に与える影響は大きい。

 ぎりぎりまで開催を模索した春のセンバツは中止を惜しむ声が圧倒的だったが、状況は違いすぎる。「やればやるで批判は噴出する。高野連がどこまで耐えられるか」と元監督。総体と同じで野球もクラブ活動、教育の一環だ。特別な存在ではないことをそろそろ肝に銘じるべきだろう。(今村忠)