2020.5.13 05:00

【甘口辛口】今季に限っては記録より記憶 プロ野球の歴史をつなげてこそ成り立つシーズンではないか

【甘口辛口】

今季に限っては記録より記憶 プロ野球の歴史をつなげてこそ成り立つシーズンではないか

 ■5月13日 特にひいきチームはなくても、テレビ中継しているとつい気になって見てしまう。中高年にとってプロ野球は何気ない日常生活の安心感には、なくてはならないものだった。コロナ禍で続く野球のない日々に思い知らされたが、11日の12球団代表者会議では今後の感染状況を見極めながら6月半ばから下旬開幕で一致したという。

 最短では6月19日が想定されていて、野球協約で各球団のホームゲームは最低60試合と決められている。「(感染者)数が減っていく状況なら120試合くらいやりたい」と斉藤コミッショナー。シーズンとして成り立つ120試合確保には土俵際で、まさに剣が峰のようだ。

 放映権料の激減で各球団とも入場料とグッズ販売が主な収入源。当初「それだけは…」とほとんどの球団が反対した無観客試合も当面は避けられそうにないが、「無観客でも、再放送しかなくなったテレビにとって格好のコンテンツになる」という関係者もいる。「“テレビ会議”みたいに画面に工夫を加え斬新な中継スタイルを見せてほしい」

 米大リーグは、7月初旬開幕でレギュラーシーズンを例年の162試合から82試合に半減するなどの日程案を30球団のオーナーが承認し、選手会に提示される。この非常事態。日本も120試合にこだわらず、シーズン143試合の半分程度の超変則シーズンになったとしても文句は出ないだろう。

 今季は坂本勇人(巨人)の史上最年少2000安打も期待されていた。記録と記憶。両方を後世に残すのが野球だが、今季に限っては記録より記憶だ。金銭を含め数字には目をつぶっても、プロ野球の歴史をつなげてこそ成り立つシーズンではないか。(今村忠)