2020.5.11 05:00

【甘口辛口】吉村知事の柔軟な発想、熱意、行動力…コロナ禍で知る新しい時代の政治手法

【甘口辛口】

吉村知事の柔軟な発想、熱意、行動力…コロナ禍で知る新しい時代の政治手法

大阪府の吉村洋文知事

大阪府の吉村洋文知事【拡大】

 ■5月11日 通天閣を信号に見たててライトアップし、「大阪モデル」の進み具合を示すとは見上げたアイデアだ。休業要請などの解除に向けPCR検査での陽性率や、重症者用の病床使用率など3項目で目標値を設定した大阪府の出口戦略。14日まで1週間連続で達成なら「黄」から「緑」に変わり段階的に解除されるというからわかりやすい。

 コロナ対策で評価を高め、いまや全国区となった大阪府の吉村洋文知事(44)。高齢の政治家や役人たちの経験則では歯が立たない難敵コロナの出現で国難ともいうべきときに、刮目(かつもく)すべきは脂の乗り切った若いリーダーの柔軟な発想と熱意、行動力であることを身を以て示した。

 出口戦略をめぐり「本来なら国が解除基準を示すべき」と発言。西村経済再生相が「解除は知事の権限」と不快感を示すと「ご迷惑をかけた」とわびたが、結果的には国からお墨付きをもらった。横綱白鵬が立ち合い、わざとつっかけ自分のペースに引きずり込む“老獪(ろうかい)”さも感じる。若い割には硬軟とりまぜた政治手腕の持ち主らしい。

 ある全国紙世論調査の「コロナ対応で最も評価する政治家」では断トツで数は2位の小池東京都知事の3倍。その小池氏は「出口というとすべてがクリアされた雰囲気になる。東京はロードマップを示す」とした。この期に及んでまたもカタカナ。曖昧にならなければいいが…

 リーダーも十人十色。きれいごとを並べても空疎で心に響かないリーダーもいるが、吉村氏はまっすぐ前を向き自分の言葉で話している。それが人々の安心感と「もう少し頑張ろう」と気持ちにつながる。コロナ禍で知る新しい時代の政治手法といえよう。(今村忠)