2020.5.4 05:00

【甘口辛口】コロナで明けコロナで暮れる毎日 テレビでは切羽詰まった医療現場からの声を聞きたい

【甘口辛口】

コロナで明けコロナで暮れる毎日 テレビでは切羽詰まった医療現場からの声を聞きたい

 ■5月4日 自ら体に油をかぶったとみられる東京・練馬の老舗とんかつ店主(54)の焼死は身につまされた。店内の営業はあきらめ持ち帰りでしのごうとしたが「コロナが収まらないと何をやっても駄目」と周囲にもらしたという。趣味はマラソンで東京五輪聖火ランナーにも選ばれ楽しみにしていたのに延期。二重のショックだったようだ。

 50万円という東京都の感染拡大防止協力金は申請が煩雑で専門家のチェックも必要という。そんな自営業の人たちの苦労は察して余りあるが、先が見えない辛さはみんな同じだろう。毎晩ささやかな楽しみの晩酌の前に飛び込む「本日の感染者数」速報は特にズシンと響く。

 東日本大震災のときも1日の死者、行方不明数が当初毎日大々的に報じられ心的障害を引き起こすと問題になった。東京では先月末2桁に減った感染者が今月に入り再び160人を超えショックを受けた人も多かったろう。検査数は同時に発表されず、分母なしの数にあまり意味がないと知りつつ一喜一憂してしまう自分が怖くなる。

 コロナで明けコロナで暮れる毎日。研究者でさえ実体が解明できず、いまだ未知のウイルスなのにテレビでは弁護士やら芸能人が訳知り顔で語っている。専門家といわれる人たちも医師会など組織のトップクラスとはいえ、実際に切羽詰まった医療現場に立った経験はなさそうで説得力はいまいちだ。

 あるBSのニュースで自らコロナ患者を診ている栃木のクリニック院長が使命感、悲壮感をあらわに訴えていた。「発熱で病院に行けないなんてありえない。保健所が介在する変なルールを作ったため現場の医療が回らなくなった」。こういう声をもっと聞きたい。(今村忠)