2020.4.23 05:00

【甘口辛口】東京五輪追加費用の日本負担、巨大地震の想定…「いま、それを言うか」の一言に尽きる

【甘口辛口】

東京五輪追加費用の日本負担、巨大地震の想定…「いま、それを言うか」の一言に尽きる

来年7月23日開幕で合意した東京五輪の主会場となる新国立競技場と五輪マークのモニュメント=3月25日、東京都新宿区

来年7月23日開幕で合意した東京五輪の主会場となる新国立競技場と五輪マークのモニュメント=3月25日、東京都新宿区【拡大】

 ■4月23日 まるで病人の枕元で「ちゃんと払えよ」と催促する借金取りだ。延期された東京五輪の追加費用について国際オリンピック委員会(IOC)は、契約に基づき日本側が大部分を負担することに「安倍晋三首相が同意した」と公式サイトに記した。コロナ対策で後れをとった日本が混迷を深めているさなかだけに、その無神経さに驚く。

 さすがに菅官房長官が「合意の事実はない」と否定し、大会組織委員会も「合意内容を超えて総理の名前が引用されたことは適切でない」と、該当部分の削除を要請。IOCは要請に応じ「延期による影響を日本側と合同で評価し、議論を進める」などと差し替えた。

 延期による追加経費は約3000億円とも5000億円ともいわれる。延期は安倍首相が提案したもので、IOCは「当然出すのはそっち」と、どさくさ紛れに既成事実を作ってしまおうという思惑があるのかもしれない。いずれ日本側が大半を持つにしても、コロナ禍で国も東京都も金はいくらあっても足りない。傷口に塩を塗られるようなニュースだ。

 同じ日、内閣府は北海道、東北地方北部の巨大地震の新たな想定を公表した。北海道沖の千島海溝で国内最大のマグニチュード9・3、東北沖の日本海溝で9・1を想定し、それぞれ最大で約30メートルの大津波が東日本の広範囲を襲うと推計している。いずれも「発生が切迫している」という。

 該当地域では、コロナの恐怖に加え夜も眠れなくなる人が出るかもしれない。防災対策の見直しを急ぐ方針はわかるにしても、もう少し世の中が落ち着いてからでもよかったのではないか。IOCの追加経費も然り。「いま、それを言うか」の一言に尽きる。(今村忠)