2020.4.21 05:00

【甘口辛口】国産薬「アビガン」、コロナ禍で世界貢献の出番も…国内承認に半年以上、スピード感のなさに歯がゆさ

【甘口辛口】

国産薬「アビガン」、コロナ禍で世界貢献の出番も…国内承認に半年以上、スピード感のなさに歯がゆさ

 ■4月21日 新型コロナウイルス治療薬の有力候補として国産薬「アビガン」の「増産、治験進む」と、昨日の産経新聞が1面トップで報じた。安倍首相は7日の記者会見で今年度補正予算案に139億円を盛り込み、現在70万人分の備蓄量を今年度中に200万人分に増やすなどその有効性に触れた。国内では既に350人に投与されているという。

 「ソラ豆琴美」。ビールの友にしたいような芸名で歌手、グラビアアイドルなどで活躍している女性タレントもその1人だった。自身のツイッターでコロナに感染し入院したことを明かし、39度以上の高熱で「食事もできない」「トイレもいけない」などと症状を訴えた。

 その後、アビガンを投与すると「気管をむしり取りたくなる」ような厳しい病状は劇的に改善した。妊婦などへの副作用を説明されたが「これ以上耐えられない」と医師に訴えた。その経緯はテレビ番組で話していた。新型インフル薬として承認済みで、対象外の新型ウイルスには医療機関の判断次第で投与できる。ソラ豆は運もよかったのだろう。

 外国でも治験が始まったが、特にドイツが購入を決めたのが目を引く。PCR検査と病院のICUの数が欧州では群を抜いて多く、死亡率(2・6%)も驚くほど低い。近代細菌学の開祖コッホの流れをくみ、感染症に強いことを実証したドイツが認めたのなら“本物”ではないか。

 インドネシアやチェコなど20カ国への無償供与も決まり、30カ国以上とも調整している。コロナ禍で世界に貢献する出番がきた感じだが、国内で承認を得るには半年以上かかるという。ここでもスピード感のなさは歯がゆいばかりだ。一日も早い承認が待たれる。(今村忠)