2018.7.11 05:00

【甘口辛口】ルールも守れないほど余裕がなくなってきた白鵬

【甘口辛口】

ルールも守れないほど余裕がなくなってきた白鵬

名古屋場所2日目 寄り切りで正代を下す白鵬=7月9日、ドルフィンズアリーナ

名古屋場所2日目 寄り切りで正代を下す白鵬=7月9日、ドルフィンズアリーナ【拡大】

 ■7月11日 何が起きたのか、わからないまま館内は異様な雰囲気に包まれた。名古屋場所2日目の結びの一番。白鵬が左前みつを取って一気に正代を寄り切った一番は立ち合い不成立でやり直しになった。「白鵬の手がついてなかった」と見た正面審判長の藤島審判副部長(元大関武双山)が手を挙げたが、あまりの速攻で動きは止まらなかった。

 もともと、白鵬は立ち合いで手をしっかりつかないとの指摘が多い。その上、相手の正代は立ち合い頭で当たらず胸を出してくるタイプで、少しでも踏み込めば前まわしは取れる。「ごまかしで、ヤマをかけた感じの立ち合いだから手がずれたのかもしれない」と藤島親方はいう。

 立ち合いの張り差しや、エルボーまがいのかち上げが「見苦しい」と横審から苦言を呈された。最近は見かけなくなったと思ったら初日の玉鷲戦で立ち合いの張り差し、流れの中の張り手が出た。テレビ解説の北の富士さん(元横綱)の「あれをやらないと、持ちこたえられないところまできているのか」という一言が気になる。

 翌日が手つき不十分。やり直しも速攻で勝って白鵬は「今日は2番取った。双葉山さんは“土俵入りは相撲2番分疲れる”といったから4番かな。おなかが出たので手が土俵から遠くなった」とコメントは余裕があった。しかし、立ち合いには常勝を誇っていた頃の余裕がなくなってきたことは確かだ。

 尊敬する双葉山は晩年、力が衰えても必ず両手をついて立った。2年後、東京五輪開会式で土俵入りを披露するのが白鵬の夢だが、フェアプレーの精神が五輪の根本原則。両手をつく相撲のルールが守れないようでは、五輪の舞台に立つ“資格”はない。 (今村忠)