2018.7.10 05:00

【甘口辛口】日本球界が一番恐れていたことが現実に…関係者「結城君が成功したら秩序崩れかねない」

【甘口辛口】

日本球界が一番恐れていたことが現実に…関係者「結城君が成功したら秩序崩れかねない」

米大リーグのロイヤルズとマイナー契約を結び、記者会見する結城海斗投手=8日、大阪府内

米大リーグのロイヤルズとマイナー契約を結び、記者会見する結城海斗投手=8日、大阪府内【拡大】

 ■7月10日 100回目の夏を迎え、高校野球は甲子園を目指し地方大会が熱を帯びてきた。サッカーW杯の後は史上最多の56校が出場する高校野球一色に染まりそうだ。そんな記念の年に「甲子園よりアメリカでやりたい」と高校野球をスルーして米大リーグ・ロイヤルズと直接マイナー契約を結んだ選手が現れたのは、ちょっぴり皮肉だ。

 ダルビッシュ(カブス)と同じ大阪・羽曳野市出身で今春中学を卒業した結城海斗投手(16)。河南リトルシニア時代の昨夏、シニアリーグ日本代表として米国での大会を経験した。1メートル88の長身右腕で最速144キロ。「中学時代のダルビッシュより変化球は上」とスカウトが太鼓判を押したという。

 本人も「ストレートとスライダーに自信があり、そこは通用するのではと考えている」と言い切る。その意気やよしだが、6月のドラフトで米国内の高校生、大学生が1200人も指名され、さらにFA選手300人も加わりメジャーに這い上がるまでは過酷な競争が待っている。

 まだ海の物とも山の物ともつかないが、日本球界が一番恐れていたことが現実になったのは確かだ。エンゼルス大谷は高卒で米国行きを公言していたが、日本ハムが強行指名し二刀流の育成プラン通りメジャーに行かせた。清宮も後を追っている。メジャー挑戦に一つのシステムが確立したところに中学からという未踏の最短ルートを選択した選手が現れた。

 「日本の野球は高校、大学、社会人、プロが一つの秩序のもとに共存しているが、結城君が成功したら秩序が崩れかねない」と関係者。その答えが出るのは何年後か…。勇気ある16歳のチャレンジを長い目で見守りたい。 (今村忠)