2018.7.6 05:00

【甘口辛口】往年のテイエムオペラオーを彷彿とさせた西野ジャパンの戦いぶり

【甘口辛口】

往年のテイエムオペラオーを彷彿とさせた西野ジャパンの戦いぶり

西野朗監督

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 ■7月6日 現役最年長93歳のサッカー殿堂入り記者・賀川浩氏によるW杯ロシア大会、日本-ベルギーの観戦記を小紙で読んで、テイエムオペラオーを思い出した。

 史上2頭目の芝GI7勝馬となった名馬は3歳時、5番人気の皐月賞で番狂わせを演じた後、足踏み。ダービーでは主戦の和田竜二が自信満々の強引な競馬をしたため、後方で勝機をうかがっていた天才・武豊が操るアドマイヤベガに栄冠をさらわれた。暮れの有馬記念では、馬主が勝ったと錯覚するほどの接戦を演じたが、1歳上のグラスワンダーとスペシャルウィークに及ばず3着。上位2頭の騎手は百戦錬磨の的場均と武豊だった。

 〈日本は成長してきたが、FIFAランク3位の強国に2点を先行し、残り40分間どう戦うかという引き出しは残念ながら持っていなかった〉と賀川氏。テイエムオペラオーと和田竜二も強豪相手にどう戦うかという引き出しがなかったのか、と膝を打った。

 オペラオーは翌年、惜敗続きから一変。GI5勝を含む重賞8戦全勝という金字塔を打ち立てた。強豪相手の惜敗を糧に自身のスタイルを確立したからだろう。

 オペラオーのように、サッカー日本代表にとってベルギー戦の惜敗は、強国に伍(ご)するための分岐点かもしれない。オペラオーの陣営は決して主戦を替えなかった。ベルギー戦が、勝つためのスタイルを日本がつかむきっかけになったとすれば、同じ指揮官で4年後のW杯に向かうべきだと思っていただけに、西野監督の退任は残念。余談だが、和田竜二は先月末の宝塚記念でオペラオー以来17年ぶりのGI制覇を果たし、「(5月17日に死んだ)オペラオーが後押ししてくれた」と涙を流した。 (鈴木学)