2018.7.2 05:00

【甘口辛口】場所前恒例になった稀勢の里の“出欠占い”…今後の人生考えれば「腹をくくる」時期

【甘口辛口】

場所前恒例になった稀勢の里の“出欠占い”…今後の人生考えれば「腹をくくる」時期

1日、横綱土俵入りを披露した稀勢の里(中央)だったが、稽古場には姿をみせず

1日、横綱土俵入りを披露した稀勢の里(中央)だったが、稽古場には姿をみせず【拡大】

 ■7月2日 「出る」「出ない」と、すっかり場所前恒例になった横綱稀勢の里の“出欠占い”が名古屋場所(8日初日)を前に紙面をにぎわしている。6月30日の二所ノ関一門の連合稽古では新入幕琴恵光と10番、その前日も幕内下位の竜電と9番と、場所では遠く対戦圏外の力士を稽古相手に指名した。ということは「出ない」。

 一方で「出るつもりで動きの速い若手相手に調整している」と見る親方も。ということは「出る」。さすがに横綱として前例のない8場所連続休場だけは何とか回避したいだろう。7場所連続休場で並んでいる貴乃花は、それまで22回優勝の実績があったから“わがまま”も許された。

 稀勢の里は得難い日本人横綱として思い入れが強いのか、横綱審議委員会は「できると思ったときに出てきてほしい」などと休むたびに甘すぎるほどの見解を示した。横綱なら自ら「腹をくくる」覚悟が必要だが、横審の温情がかえって稀勢の里の決断を鈍らせているのではないか。“過保護のツケ”ともいうべき長き不在だ。

 新大関の栃ノ心は「けがをしない強い体を作って力強い相撲を取る」と抱負を語った。勝負の世界では「けがも実力のうち」。両膝などの故障で大関から転落し今場所幕下6枚目まで落ちた照ノ富士がその最たるケースだ。同じ特別待遇でも横綱と大関では天と地の差があるのは稀勢の里にとって、もっけの幸いだろう。

 後は本人の気持ち次第だが、31歳の稀勢の里には協会の定年65歳まで倍以上の年月がある。親方になっても優勝回数が幅を利かせる世界だけに最長休場横綱という不名誉なレッテルも裏返しでついて回る。今後の人生も考えれば「腹をくくる」時期でもある。 (今村忠)