2018.6.28 05:00

【甘口辛口】快進撃を続ける西野ジャパンはポーランドの最後の意地を退けてこそ、真の価値ある勝利になる

【甘口辛口】

快進撃を続ける西野ジャパンはポーランドの最後の意地を退けてこそ、真の価値ある勝利になる

 ■6月28日 「オレはアシストがあって生きるフォワードだ」と、ポーランドのエース、レバンドフスキが前線での孤立に不満をぶちまけた。「サッカーの質が低い」との同僚批判も飛び出した。所属する名門バイエルン・ミュンヘンなら黙っていてもいいパスがくるだろうが、寄せ集めの代表では「それをいってはおしまい」というやつだろう。

 サッカーW杯ロシア大会で今夜日本が16強進出をかけて戦うポーランド。こんな“内紛”が漏れ伝わるのも2敗で早々と1次リーグ敗退が決まったからだ。世界ランク8位で「相当上まで…」とワクワクしていた国民にとって、期待と現実のギャップはあまりに大きかったろう。

 逆に日本は前回ブラジル大会のようなワクワク感はなく危機感という低い構えから入った分、高揚感も“半端ない”ようだ。勢いで「2敗のチームに負けるはずがない」と思うのも当然だが、「レバンドフスキら主力を下げ、売り込みに野心満々の若手中心に切り替えられると厄介」と専門家はいう。

 話変わってポーランドという国はたびたび隣国により国土が分割されたり消滅したりした。1920年、ロシアに徴集されシベリアに送られた人たちの孤児756人が当時の帝国陸軍や日本赤十字社によって母国に送り届けられた。日本人もほとんど知らない史実がポーランドではいまも日本の善意として語り継がれ、隠れた親日国といわれる。

 とはいえ日本特有の「忖度」までは考えもつかないだろう。3戦全敗ではおめおめと国には帰れない。過去の大会では2敗で敗退決定後の3戦目は2度とも勝った粘り強い国だ。日本は、この手負いの強敵を倒してこそ真の価値があるのではないか。 (今村忠)