2018.6.7 05:00

【甘口辛口】「東京五輪『金』取るぞ30個」にびっくり…具体的で実現可能な数字の方がよかったのでは

【甘口辛口】

「東京五輪『金』取るぞ30個」にびっくり…具体的で実現可能な数字の方がよかったのでは

 ■6月7日 「東京五輪『金』取るぞ30個!」の見出しには、びっくりした。日本オリンピック委員会(JOC)が、5日の理事会で2020年東京五輪の金メダル目標を過去最多の30個とすることを決めた。これまでの最多は1964年東京大会と04年アテネ大会で獲得した16個で一挙に倍増という景気のよさだ。

 山下泰裕強化本部長は「30個を獲得できれば世界3位は可能」として柔道、レスリング、空手などの格闘技に期待しているという。なかでもパワハラ問題を乗り越えて、東京での五輪5連覇をかけて伊調馨が日体大を拠点として練習を再開したという女子レスリングは、いつもながらの“大票田”として計算はできる。

 08年北京大会で中国は断トツの金51個を取った。12年ロンドン大会の英国も金29個で3位だった。地元開催の利を最大限に生かして勢いに乗れればいいが、その他の競技も見渡してどう甘く見積もっても、いまのところ30個にはほど遠い。あくまでも目標で景気づけにはなるにしても違和感はぬぐえない。

 森友学園をめぐる決裁文書改ざんなど出るわ出るわの公文書疑惑や、学生に責任転嫁した日大アメフット部の異常体質…。国の先行きが心配になるような大人たちの嘘や無責任さに国民はうんざりしきっている。そんなところに「金30」とラッパを吹いても喜ばれるどころか「取れなかったら誰が責任を?」と、しらけた目で見られるのが関の山だ。

 それよりも、「現状では確実に金の取れそうな種目は◯個」と具体的な説明がほしかった。その上で「後はみんなで頑張って上積みし過去最多の16は必ず上回る」とでもすれば現実的で、国民との一体化も図れたかもしれない。 (今村忠)