2020.10.15 12:00

【球界ここだけの話(2116)】DeNA・木塚コーチの苦悩「見切り発車はできない」万全期した平良の復帰

【球界ここだけの話(2116)】

DeNA・木塚コーチの苦悩「見切り発車はできない」万全期した平良の復帰

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 背中の違和感で戦線を離脱していたDeNA・平良拳太郎投手(25)が、15日のヤクルト戦(神宮)に先発する。約2カ月ぶりの1軍復帰の裏には、木塚敦志投手コーチの葛藤もあった。

 平良はFAで巨人に移籍した山口俊の人的補償としてベイスターズに加入し4年目。今季、初めて開幕ローテーション入りを果たすと、開幕から12球団でただ一人、8試合連続クオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を達成。巨人・菅野を上回るリーグトップの防御率をマークするなど、大ブレークの兆しを見せた。

 しかし、順調だった矢先、8月の練習中に背中の異変を訴え、同20日に出場選手登録を抹消された。平良は「(背中の違和感は)一昨年にもあった。そんなにひどくはなかった」と振り返るが、結果的に1軍復帰まで約2カ月もの期間を要した。

 なぜ、これだけの時間がかかったのか。

 木塚コーチは語る。「それはもちろん僕らもすぐにでも帰ってきてもらいたかったですが、これまでの投手のケースなども考えて、やっぱり見切り発車はできない。最悪の事態も考えましたし、こっちに戻ってきてシーズンを終えてほしいという思いもありました」。

 チームでは、ほぼ同時期にエースの今永も左肩の違和感を訴え離脱。前半戦を支えた左右の両輪を欠き、リリーフ投手だけで1試合を継投する「ブルペンデー」を4試合もつくるなど投手運用に苦しんだ。首位・巨人の背中はどんどん遠のいていった。現場を任されるコーチとしては「勝つためにはもちろん必要だった」というのは、まぎれもない本音だろう。

 だが、ベイスターズの一員として、若き右腕に無理をさせることはしなかった。「どこか1個の判子ではなく、複数個の判子があって初めて次のステップに進めるという中で、この時期になってしまったが、それぞれがベストを尽くしての今があるということです」。2軍首脳陣はもちろん、トレーナー、ドクターらの判断のもと、万全を期して1軍に帰ってきた。

 「もちろん一番悔しいのは本人。残り試合は少ないですが、今年の成長を最後に見せて、収穫を手放さずにシーズンを終えてほしい」と木塚コーチ。尽力してくれた多くの人の思いも胸に、平良が復帰マウンドに上がる。(浜浦日向)