2018.5.21 14:37

【球界ここだけの話(1277)】前DeNAの久保康友は「投げる哲学者」から「人生の探求者」に

【球界ここだけの話(1277)】

前DeNAの久保康友は「投げる哲学者」から「人生の探求者」に

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サンスポ記者の球界ここだけの話
DeNA時代の久保=2017年7月

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 「投げる哲学者」といえば、虎党ならピンとくるかもしれない。前DeNAの久保康友投手(37)だ。ロッテ時代に新人王に輝き、トレード移籍した阪神では最高勝率のタイトルも獲得。NPB通算13年で97勝をマークした。独特の感性、野球観の持ち主で、その考えに驚き、興味をひかれた担当記者は多かった。

 そんな右腕が4月20日に米独立リーグのゲーリー・サウスショア・レールキャッツと合意したことが球団から発表された。現在は登録枠の関係で自由契約となっているが、5月下旬にも渡米し、再契約する見通しだという。だが、「野球に固執していない」という男が、どういう風の吹き回しでプレーするのか。話を聞けば、やはり、久保節は全開だった。

 「昨年DeNAから自由契約になって、絶対に野球を続けたいとかはなかった。ただ、人生で初めてのオフを過ごし、いろんな人と会って話をしたときに、僕から見たら、『超保守的な人』と思っていた球界OBの先輩が海外でプレーした後に考え方が大きく変わっていて。その感覚の変化は何なのか。すごく興味を持った。自分がいけば、どんな化学反応を起こすのかと」

 久保には基本的なスタンスがある。「野球イコール人生」ではなく、「人生の中に野球がある」と。当然、幼少期から熱心に打ち込んできたものであり、必要不可欠なものに変わりないが、それがすべてではない。

 「僕にとって、野球って人生を豊かにするパートナーみたいなもの。野球をやっていたことで、いろんな世界が開けるきっかけをもらった。だから、悪く言えば、野球をやる理由は“不純”なのかもしれないね」

 今回の挑戦も人生を謳歌(おうか)するための、一環。そして、「松坂世代」の一員として、中日・松坂大輔投手(37)の活躍に新たな感情も芽生えたという。

 「僕がいいなと思うのは、大輔(松坂)は実績やプライドがあるのに、しんどい思いをしたり、いろんな世間の目があっても、その中でも野球を続けられるほど、『めっちゃ野球が好きなんや』と思う。それはうらやましい。そこまでのもの、答えが自分はまだ見つけられていない。自分にとって、それが何かを考えながら過ごしている」

 次のステップは海外。英語は苦手で、通訳もいない。家族を日本に残し、孤独な単身生活になる。傍目には困難なシチュエーションが久保にとっては、最高の環境だ。阪神時代に当時の山口高志投手コーチから命名された「投げる哲学者」。いまは「人生の探求者」という呼び名がしっくりくる気がする。(小松真也)

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