2018.4.1 13:00

【球界ここだけの話(1227)】阪神・歳内、大震災を2度経験「投げている姿をみせることが恩返し」

【球界ここだけの話(1227)】

阪神・歳内、大震災を2度経験「投げている姿をみせることが恩返し」

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サンスポ記者の球界ここだけの話
阪神・歳内

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 3・11-。東日本大震災から7年の月日が流れた。現在も7万3000人が避難中(2月13日現在、復興庁調べ)で、阪神淡路大震災に並ぶ未曾有の悲劇となった。その両方を経験した男が、阪神にいる。7年目の歳内宏明投手(24)だ。

 「僕は両方、経験している…。どっちがどっちとかはないですけど、経験していない人よりかはわかると思います」

 兵庫県・尼崎市出身。阪神淡路大震災があった1995年1月は1歳で当然「覚えていない」と苦笑いで話した。だが小、中学校時代は「他の学校がどうかはわかりませんが、そういう(震災に関する)授業は多かったと思います」と一つ一つ、言葉を選び、丁寧に振り返った。

 そして、福島・聖光学院高に進学していた2011年3月11日。東日本大震災のときは、3年に上がる前で「普通に練習していました。自分たちのグラウンドの周りはそこまででしたけど、寮の中がぐちゃぐちゃになったりはしました」。それでも夏は県大会を制し、甲子園に出場。2回戦の石川・金沢高戦で惜敗し「負けたのは自分のせい。仲間や福島のみなさんに申し訳ない」と絞り出した。2試合19回で、30三振。聖地のマウンドで力投する姿を、故郷にささげた。

 記者自身にとっても、大学3年時の11月に福島県南相馬市を訪れたことが、一度はあきらめたこの職を目指すきっかけになった。被災地で一生懸命に“今を生きる”人々を目の当たりにしたことで、もう一度、記者という夢を志したことを今でも鮮明に覚えている。

 「向こう(福島県)で阪神戦の放送があるとかはわからないですけど、覚えてくれている人もいると思うので。福島も宮城もまだ復興していない。投げている姿をみせることが恩返しになる」

 歳内もまた、昨季は右肩痛に苦しんだ。ウエスタン2試合にとどまり、必死に“今”を乗り越えようとしている。自分自身と、故郷のために-。もう一度、聖地で輝く姿をみせる。(竹村岳)

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