【球界ここだけの話(1088)】
中日・京田【拡大】
稲葉ジャパンの初陣となる「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」が11月16日から東京ドームで開催される。メンバー入りしたセ・リーグ新人王有力候補の中日・京田陽太内野手(23)は「自分の野球人生にとって必ずプラスになる」と気合十分だが、気になるのは大会後の過密スケジュールだ。
京田は新人の球団記録を塗り替えるシーズン通算149安打をマーク。“ご褒美”で、このオフはイベント出演などで休む暇もないほど大忙しの毎日になりそうだ。
「打撃、守備、走塁、すべての面でまだまだ。いや、下手です。実績といっても1年だけ。来年が大事。だからオフはしっかりとトレーニングをしたい」
シーズン終了後、2年目の来季に向けて、新たな誓いを立てた京田に対し、球団関係者も「練習時間を確保するために、イベント出演なども極力控えるようにしたい」と話していたが、それから1カ月。実際は違った。
名古屋の地元テレビ局、公共機関、中日のスポンサー企業から「ぜひ、京田選手にお願いしたい」とサイン会、イベント出演などのオファーが殺到。「今年のウチで最も活躍したプレーヤーだし、これまでの関係もあって断れないモノもあった」と、前出の関係者は説明した。
チームは5年連続Bクラスと低迷し、確定している個人タイトルもゲレーロの本塁打王だけ。今季5勝を挙げて、竜のエース候補と期待される20歳左腕、小笠原は秋季キャンプ初日(1日)に左太もも裏を痛めて、このオフはイベントよりもリハビリが優先となる。ルーキーに頼らざるを得なかった。
京田は「ファンあってのプロ野球選手」とオフもチームを引っ張る覚悟でいるが、この世界には2年目のジンクスという言葉がある。それを乗り越えるのは「練習」するしかない。オフの多忙スケジュールが、本業に影響しないことを祈りたい。(三木建次)