【マラソン】「野口効果」でグローバリー株ビックリ最高値
金メダル効果で最高値! アテネ五輪女子マラソンで金メダルに輝いた野口みずき(26)が所属する商品先物取引会社「グローバリー」(本社・名古屋市)の株価が、23日午前にいきなり急騰。平成8年の上場以来の最高値を更新した。同社では「金メダル効果がここまでとは」とビックリしている。〔写真:地元だけでなく、現地報道陣も野口フィーバー。新ヒロイン誕生の瞬間に報道陣も沸き立った=撮影・奈須稔〕
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小さなランナーの大きな偉業に、会社は喜びに沸いた。そして株価市場まで沸いた。
名古屋市内の同社本社では、本社勤務の約4割にあたる40人ほどが社屋3階の食堂に集まり、レースの模様をテレビ観戦。金メダル獲得時には大歓声が起こった。
夜が明けて、23日午前。名古屋証券取引所二部上場の同社株価が、取引開始直後から反応を示した。前週末に比べて230円も高い3980円にまで急騰。同社にとって上場以来の最高値という“偉業”を達成した。もちろん、野口の金メダル効果であることは言うまでもない。
その後は高値警戒感から値上がり幅は徐々に縮み、終値は3770円と20円高にとどまった。しかしこうした盛り上がりに、同社では垂れ幕を掲げるなどして、祝福ムードに包まれている。
山田保弘社長は「どんな大きな重圧に負けることなく、毎回期待に違わぬ結果を出してくれる彼女の精神力には頭が下がります」と感激のコメントを出した。
同社では、野口が初マラソンの名古屋国際や、大阪国際で優勝した際にも祝勝会を催し、報奨金も渡してきた。今回は「祝勝会の時期など、現時点では決まっていない」(広報部)というが、これまでのレースとは比べ物にならないほどの、どでかい価値の金メダル。
さらに株価だけでなく、会社の知名度アップなど会社に対する貢献度も最大級。祝勝会が華々しいものになることは確実。報奨金の額にも弾みがつくことは間違いなさそうだ。
★伊勢市も大騒ぎ、市民栄誉賞第1号だ
野口の母校、三重県の伊勢市立厚生中学ではOBや後輩ら約600人が集まり、「やったー」「万歳!」の絶叫とともに、全員が総立ちとなって大喜び。万雷の拍手の中、壇上に立った野口の姉、友代さん(36)は「みなさんのおかげです」と目が真っ赤。弟の正宏さん(24)も「気持ちを言葉で言い表せない」と喜びをかみしめた。
同市の市民センターにも地元住民ら約350人が駆け付け、応援団の太鼓に合わせての“みずきコール”が響き渡った。ゴールテープが切られた瞬間、住民らはクラッカーで祝福。23日朝には市役所や商店街に「野口選手おめでとう」の垂れ幕が早速かけられ、お祝いムードを演出した。
伊勢市では23日、市民栄誉賞を創設して第1号として野口に贈呈する方向で検討に入った。同市ではこれまで市民栄誉賞は設けていなかった。出身者として初めて、野口が五輪の金メダルを獲得したことから、栄誉賞の創設を検討することになった。
★京都市は栄誉賞贈呈
京都市は23日、野口に市スポーツ栄誉賞を贈呈することを決めた。野口は現在京都市に住んでおり、グローバリー陸上部の事務所が置かれている。昨年8月の世界選手権で銀メダルを獲得し、五輪代表を決めた際も同賞を受賞している。同市では、体操男子団体で金メダルを獲得した、洛南高校出身の冨田洋之、中野大輔にも同賞を贈ることを決めている。
★伊勢神宮のお守り、800円で最高の御利益
まさに、最高の御利益だった。野口がレース中、腰元に付けていたのが地元・伊勢神宮のお守り。身体健康の願いをこめ、800円で販売している。テレビ中継を見たファンから早速、同神宮に問い合わせが殺到。広報部は「地元出身ですし、野口選手の活躍を歓迎しています。これで、観光客がいらっしゃればいいですね」と“金メダル効果”に期待した。
★高地トレで訪れる雲南省も祝福
野口が毎年高地トレーニングをしていた中国雲南省が23日、力走をたたえ、金メダルを祝福した。日本選手の世話をしている同省体育総局の張俊・秘書長(46)は、野口の印象を「負けず嫌いの努力家」と話し、標高1890メートルの同省昆明市に1年に何回も来て「科学的な高地練習を豊富にこなしてきた成果だ」と分析した。
(共同)
★藤田監督にも新たな目標
思わず走り出していた。競技場に野口が姿を現すと、藤田信之・グローバリー監督(63)=写真=は汗だくになり携帯電話を握り締めながら、まな弟子の名前を呼び続けた。
「いやぁ、よかった。言うた通りに動いてくれた。言葉かけるよりオデコひっつけたった」
日本で2人目となる女子マラソン金メダリストの指導者の誕生だ。ただし、そのスタンスはあまりにも対照的。シドニーの覇者、高橋尚子を指導した小出義雄監督は選手を褒めて、その気にさせる。だが藤田氏は、どんどん厳しい言葉を投げ掛けて選手のレベルを引き上げることに終始する。「ボクはヒゲも生やしてないし、ヨイショもしないで」。小出監督への対抗心も相当なものだ。
指導歴36年。74年に日本陸連派遣の海外研修で欧州の指導法を学んだのが転機になった。一方で競技よりも人格形成を重視する。「礼儀や作法ができない選手を教えたくないんや」。寮の門限は夜10時、携帯電話も禁止だ。
一見、こわもてのパンチパーマだが、マシンガン・トークでダジャレを連発する。「アテネ終わったら監督やめようかなと思ってたけど、来年ヘルシンキで世界選手権があるし、それまではとも考えてる」。野口の金メダルで祝杯をあげ、また新たな目標が出てきたようだ。
| 藤田 信之(ふじた・のぶゆき) 1940(昭和15)年10月4日、京都市生まれ。63歳。洛北高から59年に日本レイヨン(現ユニチカ)入社。68年からコーチ、72年から監督。86年からワコール女子陸上部監督。98年からグローバリー女子陸上部監督。この間、バルセロナ、アトランタ五輪代表の真木和らを育て、400メートルからハーフマラソンまで中長距離14種目で日本記録を樹立させた。ワコール時代には全日本実業団対抗女子駅伝で4連覇を含む5度の優勝も達成している。 |
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